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藤原正彦氏講演会「日本再生への道」


藤原正彦氏の「日本再生への道」と題する講演を聞いてきた。

 

日本再生の鍵は日本人が本来持っている「人間性」を再認識し磨くことだという内容だった。

冷戦時代は資本主義の成功者としてアメリカは日本の味方だったが、冷戦終結後は経済的な敵とみている。1990年代後半からの様々な改革は日本人が本来持っていた強みを無くすためのアメリカの政策だと考えると辻褄が合うのだという。

東日本大震災後の日本人の行動は世界から賞賛されるものがあった。それは世界が驚き恐る日本人の強みであるのだ。この強み「人間性」を意識し、磨いていくことが大切なのだ。

人間性の要素は ①教養 ②(人間としての)型 ③情緒だという。

「教養」は経験から学ぶのが良いが、経験には限界があるので読書で補う必要がある。読書を通して過去の賢人と会話をすることもできれば、人の様々な気持ちも感じることができる。

 

「型」とは正義感や勇気、惻隠などを理屈でなく体に染み込ませること。

「情緒」とは美的感受性を磨くことである。虫の声や短期間に美しく咲きサッと散る桜に儚さを感じられるのは日本人の特権である。自然や音楽、美術を通してこの情緒を磨くことが人間性を高めることにつながる。

 

この三つの要素を意識しみがくことで人間性を高めることこそ日本再生への道である。

 

「人間として素晴らしく魅力があることが国際人としての第一歩である」「日本人が持っている自然を恐れ敬い自然と共に生きる生き方を世界に広めることが日本人のするべきことである」ということも印象的であった。

小学校時代の教育に関しては「自ら本に手を伸ばす子」さえ育てられればそれで良い」と言っていた。


3月 23rd, 2015|

卒業生からの報告(模擬国連に参加して)


公文国際学園の中等部に進学した野口簾くんから、学校の代表としてニューヨーク国連ビルで行われた模擬国連に参加してきたと報告がありました。世界の飢餓問題や軍縮問題などの解決策を議論するので高い英語力を必要とされるものですが、帰国生でない野口くんが活躍してきたとのこと。とても嬉しい報告でした。


3月 20th, 2015|

LCA国際小学校 謝恩会で


今日は小学校の卒業式と謝恩会が行われた。謝恩会でお話させていただいた保護者の方から、LCAに通わせたのはLCAの考え方が好きだからで、英語が目的でも中学受験が目的でもなかったという話をしていただいた。本当に嬉しかった。

LCAの原点は生きることの素晴らしさを知った人間を育てる人間教育にあるからだ。これからもLCAの理念を良く理解していただける方と同じ方向を向いて教育をしていきたい。

また、夢を実現していくことを身近に感じられる環境に居たことも良かったと言っていただけた。LCAに通いながら、子供たちが夢は叶うのだと感じてくれていたらとても嬉しい。


3月 19th, 2015|

英語教育の問題点


英語圏で生活して帰国した子供が英語を流暢に話しているのを聞くと確かにカッコイイのであるが、それに憧れてネイティブの話すような英語を話すことだけを目標にしているのは、とんだ間違いである。

日本にいて英語を話せると確かにカッコイイのであるが、海外で英語が話せることは普通のことであって意味のあることではない。

イギリスに留学していた人と話す機会があった。彼女は卒業して現地の会社に勤めるチャンスがあったという。社員100人の中に日本人は一人。日本人を雇う理由は日本人しか知らないことを役立てたいからだ。日本のことをあまりに知らない自分に気づき、日本をもっと知り勉強する必要を感じて就職はせず帰国したという。

海外で働くには「日本人」を活かさないと意味がない。どんなに英語が堪能でも英語だけではネイティブにはかなわない。日本語も会話ができるだけでは話にならない。

日本人として海外に出て必要とされる英語は使える、伝わる英語だ。ネイティブに発音がどれだけ近いかは問題にならない。それより日本についてどれだけ経験に基づいた本物の知識があるかが大切なのだ。

英語熱が高まる中、保護者の方には是非知っておいていただきたいことだ。親の勘違いが子どもの可能性を摘んでしまうことになりかねない。


3月 15th, 2015|

アートでゴールを決めたい我が人生(ギャラリー桜の木30周年記念誌へ寄稿)


二十歳前後の時の私には、とても社会の中に自分の居場所があるとは思えなかった。そんな時代の救いは芸術家としての生き方だった。「○○ばか」と言われるような一途な生き方が好きで、「ゴッホは何故絵を描き続けたのか?」が自分の中では大きな問題だった。私の中にある、行き場所のないエネルギーと会話をしてくれるのはゴッホの情熱だったのかもしれない。芸術家になれるとは思わない。だが大学の中で一番多く絵を観た人間にならば成れるだろう。我武者羅に展覧会や画廊を回った。ただ偶然目に入った広告やたまたま出合った画廊を巡った。

そんな折り棟方志功が亡くなり回顧展が開かれた。板画の前に釘付けになった。自分の奥の奥に眠っている自分でも知らない生命力が沸き上がってくるのを感じた。こんな人がいるのか、こんな仕事があるのかと思った。志功の絵の描き方は人間離れして見えた。天からのメッセージが志功を通って紙に描かれている。それ以来、目白にあるアトリエにクロッキーを描きに通った。ただ自分で描いているだけ、誰の批評もなければ師もいない。スケッチブックを手に電車の中で、街で、歩きながらもクロッキーを描いた。

現実の社会に適合出来なかった私の怒りと悲しみは婆娑羅大将が、安らぎは弥勒菩薩が受け止めてくれていた。婆娑羅大将を弥勒菩薩を板画にした。志功のように板に目を近づけ彫刻刀を走らせた。その頃は四畳半のアパートを借り「夢中庵」と表札を出し、ひたすら描いた、彫った。四畳半は木屑だらけで寝袋で寝た。

 

でも私は版画家には成らなかった。

 

一浪して電気通信大学に入学し、1年も経たず退学した。また1年浪人し、横浜国立大学の教育学部哲学科に入学。卒業間近になって美術科に転部したいと相談すると、あと2年追加になると言われた。

教員免許もとれていた。

私は教師の道に進むことにした。5年、5年は何も考えず教師をする。本当に芸術の道に進みたいなら5年後も気持ちは変わらないだろう。

1年目にして私は教師の道にはまっていた。楽しくてしょうがない。それが私の教師生活1年目。ところが、2年目は1年目にかなわず、3年目は2年目にかなわない。50歳に成った頃の私は何をしているだろうと思いを馳せるが、そこに希望は見えなかった。

まだクロッキーは描いていた。恐ろしいことにバレエも習っていた。そこで出会う貧しくも情熱のある彼らに私の人生は負けている。

自分で決めた5年目を過ぎ、6年が経った時、教師を辞めた。

版画家と結婚するつもりでいた妻は「やっとその気になったの」と反対はしなかった。その言葉のありがた味は当時の何倍も今感じている。

色々な仕事をしてみたが、どれも鈍臭い。教師であった自分にできることは子どもを教えることだけだと分かった。小さな、生徒4人の塾を始めた。遊びと勉強を教える塾だ。幸いなことに電話がなる度に生徒が増えた。公団の自宅で始めた塾は実家の部屋からテナントへとヤドカリのように変わっていった。

教師を辞めて30年以上経った今、小さな塾は小学校にまで育った。

何年か前、柳画廊さんに出会い、広田稔さんのバレリーナを描いたクロッキーを買った。昔の自分の気持ちを忘れないようにという気持ちがあったのだと思う。自分の原点を忘れないように飾り、毎日観ている。1枚本物の絵があると同じ部屋に印刷物は飾れなくなった。2枚目は画廊をしている友だちからシャガールを買った。ギャラリー桜の木さんに出会ったのはその後だ。好きな絵には出会えても、買いたい、自分の家に飾りたいと思える絵にはなかなか出会えないでいた。桜の木さんは私の求めるものが全てあるような不思議な場所だ。作家と話したいという私の長年の思いも叶い、行く度に欲しい作品があって困る。

芸術家にならなかった私がこれからできることは、芸術と芸術家のために何かをすることだと思っている。私は今、作品を作るように学校を作り、会社を作っている。私にはこの道が合っていた。天職だと思う。私のこの天職を生かして何ができるのか。毎日語り、思いを巡らせている。

学校に本物の絵や彫刻を飾る。当たり前のように飾る。美術館よりももっと当たり前に飾る。ある時は子どもが絵に語りかける、絵は毎日子ども達を見守っている。

芸術家がもっと生きやすい世をつくろう。誰よりも情熱をかけ生きている彼らがリスペクトされる世の中を。芸術家が生きていける方法を学べる学校もつくろう。

今ビジネスの世界にいる私を生かして何かができる。残された人生はきっとそうしよう。


3月 10th, 2015|

人生の応援団「潜在意識」


高学年向けアッセンブリー

今日は「潜在意識」の話をします。難しい言葉ですね。皆さんには自分で意識できる意識の他に自分ではコントロールできない意識「潜在意識」があります。夢をみるのは意識してみるわけではありませんね。夢をみるのも潜在意識の働きの一つです。この潜在意識は皆さんの応援団です。皆さんが願うことを実現しようと必死で、もの凄いパワーで働きます。

皆さんの願いをどのように理解すかというと、皆さんが何度も繰り返し思うことや何度も口に出して言う言葉で理解します。ただし、潜在意識は主語を理解できないという特徴があるので注意が必要です。「あなた嫌な人ね」とか「あの人意地悪ね」とか言っていると「嫌な人」と「意地悪」という言葉だけが潜在意識に届き、潜在意識は必死で皆さんが「嫌な人」や「意地悪な人」になる応援をします。「つまらない」と言うのが口癖の人は潜在意識が「つまらない人」を作り上げます。

「幸せだな」と思う人、口に出して言う人の潜在意識は「幸せ」を実現しようとして働きます。皆さんも今の自分の中の幸せなところを見つけ「私は幸せ」と思ったり、口に出したりすると必ず「幸せ」になります。

もう一つ、潜在意識はイメージを受け取りやすいので、言葉だけでなく自分のなりたい姿や願いをイメージとして思い浮かべることができると、潜在意識はその思いを実現するように働きます。

皆さんも今日この話を聞いて、普段自分がどんな言葉を口に出し、どんなことを思っているのか改めて考えてみましょう。


1月 28th, 2015|

ポケットチーフとIBプログラム


ポケットチーフを何時も奇麗にポケットに納めておくのは至難の技である。何か良い商品は無いかと1年近く探したがピンと来る物が無い。下の方を100円ショップで買ったゴムで留めてみたり、ジュエリーの入っていた小袋にいれてみたりしたが上手くない。今回眼鏡に付ける偏光グラスが入っていたケースをハサミで調度良い大きさに切ってチーフを入れてみた。そしてタイピンでとめたらバッチリ上手くいった。

私はこんなことを様々な分野でやっているように思う。必要であって、商品として無いものは作れば良いのだ。

英語教育の強化が叫ばれる中、IB(インターナショナル・バカロレア)を導入しようと政府は言う。なぜ日本独自のものを開発せず、今までのものを否定して輸入品に頼ろうとするのか。

以前オープンスクールという、壁で仕切られない教室が流行った。今も作ろうとしているところさえある。根底から考えず、新しい、良さそうなものを輸入してくる。

私は空いた部屋を教室に使って塾を始めたので、教室の仕切りが無かった。隣のクラスの声が聞こえて授業しづらい。壁で仕切ることが夢だった。現場はオープンスクールなど求めてないと思う。

英語教育も現状を良く捉え、今まで培ってきた教育を改革しながら日本独自のものを作るべきだ。とりあえず良さそうなものを輸入するのではなく、IBなどの良いところを日本の教育に取り入れれば、日本の学生にはよい良いのではないか。


1月 23rd, 2015|

「考える」ということ(ネルソン マンデラ)


私は日々の生活を通してさまざまなことを考える。考えたことを行動に移し、また考える。考えと行動が切っても切れない関係である。

ネルソン・マンデラのことが気になった。獄中に籠って、悟りをひらくように、ただ考えていたのだろうかと。調べてみると、獄中でも監視の行動を観察したり、話しかけたり、さまざまな行動をしながら考えていたのだと分かった。


1月 19th, 2015|

「知る」ということ(東山魁夷展を観て)


私たちが普通に生活している中で、「知る」ということは、極々表面的なことを知るにすぎない。日本橋三越で東山魁夷展を観た。有名な絵画は何度も観ることはあっても、どんな人物で、どんな人生を歩んだのかは知らなかった。本当に知るためには、積極的な行動(行為)が必要なのだと思う。氏の使った何とも美しい顔料を観たり、氏が世界を回りながら集めたコレクションをみたりして、東山魁夷の人物が少し分かった気がした。絶対に買う事はあり得ない画家の作品と思っていたが、氏が監修した木版画やリトグラフがあることも分かった。

行動しながら得る本当の知識を増やしていきたいものである。


1月 19th, 2015|

IT教育はプログラミング教育


昨日、LCAのITを担当していただいている会社の新野さんからIT教育で大切なのはプログラミングだという話を聞いた。

保育園でiPadを使わせていることが、さも良いことのように取り上げられているテレビ番組があったが、私は違和感を覚えていた。幼児期に必要なのは五感を通した体験だからだ。iPadの使い方など放っておいても今の子どもたちは身に着ける。

「プログラミング」と聞いて心の靄が晴れた気がしていたら、今朝の産経新聞に「プログラミング強国へ教育を」という東京大学教授の坂村健氏の記事が載っていた。いつも物事は驚くほどタイムリーだ。

坂村氏曰く「今世界でコンピューターを利用した技術革新を主導しているのはプログラミングの専門家でなく、プログラミングできるその分野の専門家になってきている」

日本でこの教育を取り入れるためには学習指導要領の書き換えが必要なので、今決断しても10年後になるという。ITの世界は普通の7倍で進化していると言われているので、一般の世界では70年かかることになる。

2000年にこの教育を指導したイスラエルには遅れをとるばかりだ。


7月 31st, 2014|