コミュニケーションのとり方「何かあったんだね!」


相模女子大学の「子ども学入門」の講義で、コミュニケーションの話をした。コミュニケーションでは相手の「気持ち」を受け止めることが大切だと。

子どもが不機嫌そうに帰って来た時の声のかけ方では「何かあったの?」と質問形式に声をかけるのではなく、「何か嫌なことがあったんだね!」と気持ちを受け止める言葉をかける方が良いと話しました。

それについて多くの感想をいただきましたので、感想の一つを紹介させていただきます。

 

感想より

「何かあったの?」ではなく「何かあったんだね!」

語尾が少し違うだけで、こんなにも違うなんて、言葉ってすごいと思いました。

実際に「何かあったんだね!」だと無条件で自分の味方でいてくれるような安心感を得られます。

なにげない言葉で、相手を傷つけたり、幸せにしたり。もっと日頃の言葉選びに気を付けないといけないと思いました。


7月 18th, 2013|

体罰について


日本に「子どもへの暴力防止プログラム」を紹介した森田ゆり女史が「しつけと体罰」の中で体罰について下記のように説明しています。

① 体罰は、それをしている大人の感情のはけ口であることが多い。
② 体罰は、恐怖を与えることで子どもの言動をコントロールする方法である。
③ 体罰は、即効性があるので、他のしつけの方法がわからなくなる。
④ 体罰は、しばしばエスカレートする。
⑤ 体罰は、それを見ている他の子どもに深い心理的ダメージを与える。
⑥ 体罰は、ときに、とり返しのつかない事故を引きおこす。

私は③の「体罰は、即効性があるので、他のしつけの方法がわからなくなる」という観点を、多くの方に理解して欲しいと思います。同じ結果が出せるのであれば、体罰を使わない方が良いのですから・・・


7月 16th, 2013|

「隠さなくてもいい」


「隠さなくてもいい」

 

何で隠しながら絵を描くの?

 

何で隠しながら答えを書くの?

 

間違えてはいけないと

 

言われ続けて育ったの?

 

正しいとか 間違いだとか

 

上手いとか下手とか

 

気にし続けて育ったの?

 

あなたは自信を持って

 

あなた自身であればいい

 

誰もそれ以上のことは

 

できないのだから

 

「子育ての詩」より

 

相模女子大の授業でこの詩を扱った。

学生の感想を紹介します。

 

○  隠さなくてもいいという言葉に勇気をもらいました。

私は緊張しやすい性格で、緊張していても緊張していること

自体を隠そうとしてもっと行動に表われたり・・・

隠そうとするクセがでたら、この言葉を思い出そうと思います。

 

○  先生の話を聞く度、もっと楽に生きていいんだなと思います。

セカセカしてしまう性格なので、ゆっくり余裕をもった生き方ができたらいいなと思いました。

 

○  自分もそういうところがあるので、励まされた。これからは自信をもって

今を楽しみます。

 

○  私は今でも隠したりするので、勇気づけられた気がします。

今をもっと楽しもうと思いました。

 

大学の講義で受講生は108人。授業の最後に感想を書いてもらい、感想や質問に次の授業で答えて、コミュニケーションをとっている。

「隠さなくてもいい」の詩に「楽しく生きる」という言葉はでてこないが、「楽しく生きよう」と思うという学生が複数いた。こちらも温かい気持ちになる。

「励まされた」「勇気づけられた」という言葉にこちらも感動をもらった。


6月 24th, 2013|

園長と話す会 ー赤ちゃんがえりなどー


本年度2回目の「園長と話す会」が行われた。

質問

2歳の子がいるが、3ヶ月の赤ちゃんができて赤ちゃんがえりしている。

 

園長の話

今まで自分だけに向けられていた愛情が、下の子に向けられて寂しい気持ちになるのは当然ですね。自分に注意を向けて欲しくて、赤ちゃんがえりしているのですね。分かっていてもお母さんは上の子に手をかける余裕がないですね。

そんな時は、言葉だけでもかけてあげましょう。「あなたのことはちゃんと見ているよ!大好きよ!」と。

また、赤ちゃんが眠っている時や、お父さんが協力できる時に、上の子だけの時間を作ってたっぷり愛情を注ぐのも有効です。

大変な時ですが、やってみてください。

 

質問

子どもから離れようとすると泣いてしまう。プリエントリーコースの時は任せて離れるが、離れる機会を増やして慣れさせた方が良いのでしょうか。

 

園長の話

お母さんと離れる時になくのは「お母さんと一緒にいたいよー」と言って泣いているわけです。だからお母さんの姿が見えなくなって、気配も感じないと泣き止むことが多いです。泣く意味がないので・・・そして、お母さんが迎えに来た時にまた思い出したように泣きます。だからお母さんはず〜と泣いていたのかと思いがちですが、じつは途中は結構楽しんでいるのです。

離れる時はキッパリ離れることです。お母さんが気持ちを残して心配していると、その気持ちが伝わります。そして、迎えに来たときに笑顔で迎え、喜んであげましょう。「がんばったね。お母さんうれしい!」と。

 

離れる機会を増やした方が良いかということですが、その必要はありません。逆に、満足するまで愛情を注ぎましょう。お母さんという安全基地があって、安心できて初めて離れられるようになるのです。満足するまで甘えれば、無理なく離れられるようになります。プリエントリーの時代は週1回の練習で十分です。

 

質問

わざと逆のことを言ったり、急にやだと言って泣き出したりします。

 

園長の話

 

子どもたちが初めて学ぶ自己主張は「No」です。自己主張ができるようになったのだなあと、まず成長を感じましょう。

その上で、子どもはどんな気持ちで「やだ〜!」と言ったり、わざと逆のことを言ったりしているのか、その気持ちを言葉にしてあげましょう。

「〜が嫌なんだねえ!やだよね〜」と。

これで結構効果があります。

すぐに効果がなくても、ゴネている子に何を言っても聞いていないので、気持ちを切り替える工夫をするか、時々言葉をかけながら、収まるのを待ちましょう。本人も何がなんだか分からなくなっていることが多いので、その時に何かを言い聞かせようとしても無駄ですから


6月 21st, 2013|

母親になる 母性とは


「子を生んだから母親なのではない。子を育ててこそ本当の母親になるのだ」

「母性愛は、子どもを生んだだけでは生じない、母と子の共同作業の中でこそ生まれ育つ」

「ここで生まれた信頼関係は、母から家族に及び、その子どもの属する種類全体への信頼関係につながっています」

【中川志郎の子育て論】より

深いですね!


6月 10th, 2013|

園長と語る会の質問から


今日はLCAインターナショナル・プリスクールの2歳児のコースの保護者を対象に「園長と話す会」があった。

6組という少人数だったので、質問に答える形式でおこなった。以下は質問と私の話です。

 

【質問1】

家庭ではあ甘えん坊で我がまま放題であるが、保育園ではそんなことはない、優等生だと言われた。保育園で無理をしているのでしょうか?家庭と保育園のギャップをどうしたら良いのでしょうか?

 

【園長の話 1】

基本的にギャップはあって良いのです。家で甘えられているのは良い事だと思います。家で甘えられるから外でがんばれるのです。

お母さんが厳しく、家では良い子なのですが、保育園や学校でそのストレスを発散している子の方が問題であることは、分かりますよね。

また、家でも保育園でも「良い子」をしている子は、心が無理をしている可能性もあるので心配です。無理していなければよいのですが、ある日突然、耐えられなくなって別人のように変わってしまったという例も少なからず見てきています。

 

「我がまま放題」ということに関しては、後から少しお話しましょう。

 

【質問 2】

太鼓が好きで太鼓のゲームをやらせたが、やりたくてキリがない、好きな事は伸ばしてあげたいが、キリをつけさせるにはどうしたら良いだろうか?

 

【園長の話 2】

悩むところですね。でも悩んでいる状態は良いことです。迷いもせず、時間を守ることを優先したり、ズルズルといつまでもやらせたりしているのは問題だと思います。子育てにマニュアルはないので、何時も悩みながらです。プロもそうです。悩んでいるうちは、そうは間違っていない。

 

気持ちと時間にゆとりのある時に、満足するまでやらせてみると良いと思います。「満足するまで」というのが、TVゲームがなかった時はよかったのですが、TVゲームはなかなか満足しない傾向があります。ですから、ある日と決めたら、その日だけはうるさく言わず、やらせる限ることです。「今度は○○日に好きなだけやっていいから、後は家族のルールを守ってね!」というと、子どもも受け入れやすいし、ルールも学べますね。

 

【質問3】

ものを投げ、当たり散らす。放っておいて良いのか。

 

【園長の話】

ハイになっている子にいくら叱っても説得しても聞きません、無理です。ヤケになっている状態を「嫌なんだねえ、怒っているんだねえ!」と気持ちを表現してみましょう。

その上で、ほかのことに目を向けるなど、気持ちを切り替えるのは良いと思います。

ポイントは、「自分でも訳の分からなくなっている子どもと対立しない」ことです。

子どもでも大人でも大概は、気持ちを分かってくれ!と言ってゴネているのです。気持ちを「分かった」と言われると、後はダダをこねる必要がなくなるのです。

気持ちが落ち着いたところで、物を投げることが良くないことを伝えると良いと思います。

 

【質問4】

靴下をはくときなど、うまくはけないと「できな〜い!」と投げ出してしまい、後までその気持ちを引きずってしまう。どうしたら良いのか?

 

【園長の話】

2歳の子はまだ一人で靴下をきちんとはくのは難しいですね。お母さんが少し手伝う必要があります。

ただ、この手伝い方にコツがあります。「最後は自分で出来た!」と思ってもらうことが大切なのです。この達成感が次のことへ挑戦するエネルギーになります。

靴下をはく事を例にとると、初めは足に少し入れて上げる、「さあ、履いてみようね!」と言ってやらせる。きっと踵を合わせるところで上手くいかなくなります。さりげなく踵を合わせてあげます。「さあもう少し、引っぱって!」「できたー!」「がんばったね」と喜んであげます。

「最後に自分で出来たと感じるように、手を貸すこと」これがポイントです。

 

皆さんの疑問にお答えできたでしょうか。今日はありがとうございました。


6月 10th, 2013|

見守る教育


相模女子大の「子ども学」の授業で、「見守る教育」について講義をした。

DVDで小学校1〜2年生のお兄ちゃんと2歳の弟が大きなボールの取り合いをしている様子をみる。

普通だったら弟が「お母さん、お兄ちゃんがボールをかしてくれない!」と泣いて訴え、お母さんは「お兄ちゃんなんだから貸してあげなさい。」ということになるところだ。

ところが、ここに登場するお母さんは弟に「こうちゃん、がんばれ!」と声をかける。なかなかできることではない。

弟はしばらくボールをとろうとがんばるが取れない。

ダメだと思うと「お菓子」と言って気分を切り替える。泣かない。

 

弟が泣いて訴え、お母さんがお兄ちゃんに注意をする場合、弟が学ぶことは、お母さんに泣いて訴えれば自分の思い通りになるということだ。何か思い通りにならないと、「おかあさん!」と訴えるようになる。

 

子育てとは子どもに自分で解決する力をつけること。

泣いて訴える子どもとどう向き合うか、勝負どころだ。


5月 28th, 2013|

子どもの心


子どもの心

 

柔らかい子どもの心が何度も傷ついた時

 

子どもは心をかたく閉ざしてしまい

 

感じることを避けるようになる

 

もう二度と傷つかなくてすむように

 

拙著「子育ての詩」より

 

 

泣くことでしか、要求を訴えられない赤ちゃんが

泣いても泣いても、かまってもらえない時

自分を守るために、心を閉ざして感じることをやめてしまします。

感じているのが辛すぎるからです。

 

心を閉ざすまでいかなくても、耳を閉ざしてしまう例はたくさんあります。

いつもいつも怒られている子は

いつか耳を閉ざし、言葉を受け入れなくなります。

聞いても、嬉しいことなどないのですから・・・

普段から自分を認めてくれる人が

叱るから言葉が届くのです。


5月 26th, 2013|