日常生活

「気持ちを伝える」


今日は「気持ちを伝える」というテーマでお話しします。

皆さんは日々、「幸せ」「嫌」「悔しい」などいろんな気持ちになると思います。「幸せ」という気持ちは言いやすくても「嫌だ」「悔しい」という気持ちは言いにくい時がありますね。そんな気持ちを我慢していませんか?

この「嫌だ」「悔しい」という気持ちを我慢してしまうと、いつまでも自分の中に残ってしまいます。この気持ちは自分から出した方がよく、自分の声に出して言うとスッキリします。

でも「声に出して言うこと」はとても難しいですよね。気持ちを言うと相手が怒ってしまうのでは?嫌われてしまうのでは?と怖くなってしまいますよね。

LCA国際小学校では、「気持ちを伝える」ことを大切にしています。どちらが良い悪いということではなく、相手に気持ちを伝えることが大事なのです。

気持ちをぶつけられた相手は、「嫌だったんだ」「悔しかったんだ」ということが分かればよいのです。自分が悪かったとか、何か変わらなければならないなどと思う必要はありません。

この気持ちを伝える方法にはコツがあります。

言いにくいことはまず「声に出さないで心の中で言ってみる」。次に「口だけ動かして言ってみる」ことです。この時点で脳は「言えた!」と思い、気持ちを言いやすくなります。

「内緒話のような小さい声で言ってみる」「ボリュームを1あげて言ってみる」というようにだんだん大きな声を出すようにすると、相手の前でもはっきり言えるようになります。

自分の気持ちを伝え、相手の気持ちを分かれば、それで終わりです。先生はその後に「握手しましょう」などという必要はないですね。その後は皆さんで考えて行動してください。

自分の本当の気持ちを言えないと、本当の友人を作ることはできません。LCAの先生は皆さんが本当の気持ちを言えるようにサポートします。どうしても言えない時は相談できる先生を見つけて下さい。

本当の気持ちを伝えることができ、相手のことが分かる。そして本当の友人を作ることができる。皆さんにはそんな人になって欲しいと思います。
2016年11月 学園長アセンブリーより


11月 14th, 2016|

「見たこと作文」と「スマートフォンで変わる親子関係」、「ゲームが脳へ及ぼす影響」


今日のレクチャーでは、まず「見たこと作文」についてお話しします。

おかげさまで10月10日付で「親子でつくる見たこと作文」という書籍を発売することができました。

この本は作文講座や作文同窓会も参考にさせて頂き、今までのマインドマップに新しい要素を入れた「見たことパレット」という新しい図を掲載しました。場面ごとに見たことを書いていくものです。

まず思いついた場面を書いていき、見たことを書いていきます。順番を書く欄もつけました。時系列に沿って番号をつける欄です。最初のうちは番号通りに書いてみましょう。慣れてきたら、敢えて順番を変えて書くのも良いでしょう。

場面ごとに書くという考え方と、順番に番号をつける欄ができたことで、誰でも表現豊かな作文が書けるようになりました。

普通は作文の書き方は指導されていないので、この本を是非広めて、だれでも作文を楽しく書けるようになってもらいたいと思います。

またこの書籍の第二弾として、家族のコミュニケーションについての書籍を作ろうと原稿を執筆中です。併せて、コミュニケーション講座の開催も考えており、10名前後の座談形式で普段困っていることなどを話す機会にしようと考えています。開催の際にはご協力をお願いします。

現在、教育の世界では「英語、英語」と盛んに言われていますが、次は「コミュニケーション」と言われる時代が来ると予想しています。そのためにもコミュニケーションの本を作ろうとしています。

最後に大きな時代の流れについてお話をしますと、「コミュニケーション」の次は「感性」が大切と言われる時代が来ると考えています。また、今の小学生たちが受ける時期の大学入試も知識ではなくコミュニケーション力や直感力を含めた「人間性」を問われる試験として大きく変わると予想しています。

 

 

次に「スマートフォンで親子関係が変わりつつあること」についてお話しします。

親がスマホを使いながら子どもに返事をしている場面を見ます。これは「プチ虐待」と呼ばれています。この場合、子供は無視された感覚を持ちます。呼び掛けたのに、ちゃんと聞いてくれていないと感じるのです。

某無料通話アプリの着信音も親子関係に多大な影響を及ぼしています。着信音や既読機能に常に気にしているという点です。

ある学者の実験で、集中して物事を行う時にアプリの着信音が聞こえると、脳の働きが非常に乱れることがわかっています。つまり親が着信を気にしていると、子供とのコミュニケーションに集中できなくなるということです。このことをぜひ分かってほしいと考えています。

 

次に「子どもがゲームを遊ぶ時の脳への影響」についてお話しします。これは先日のアセンブリーでも子どもたちに伝えてあります。

人間の脳には、感情をコントロールする「前頭葉」という部分があります。感情をコントロールする部分です。

テレビゲームは認知症予防や視覚を発達させるという研究もある一方で、この前頭葉を発達させなくなるという研究が注目されています。テレビゲームの種類にもよるのでしょうが、視覚から直接運動神経に連絡がいくので、前頭前野を通過しないのです。

逆にボーとして考え事をしていたり、様々な事に迷ったりする時は前頭前野が活発に動いています。そのような時間が人間らしい時間なのかもしれません。

またゲームの中毒性の問題もあり、一度ゲームをやってしまうと、止めさせるのが物凄く大変になります。だから今やっていないのであれば、小学校の時はそのままやらずに過ごすことをお勧めします。もし今ゲームをやっているのであれば、時間配分を家族で考えて下さい。

平日にスマホやタブレットをやる人は、使用時間が長くなればなるほど成績が落ちてしまうという調査結果があります。また、勉強の時間を増やしてもスマホやタブレットをやっていると、全く勉強していない人と同じ成績になるというデータもあります。つまり勉強していることが身につかなくなってしまうということです。

 

LCA国際小学校は、このような問題に対して学校と保護者が一緒になって取り組める学校だと思っています。ただ禁止するのではなく、学校や家庭で子どもたちと話をし、子どもたちが気づき考えながら良い方向に持っていければと考えています。

 
2016年10月 学園長エデュケーショナルレクチャーより
 


10月 28th, 2016|

「やりたいこと」と「しなければいけないこと」2016年3月アッセンブリーより


今日は「やりたいこと」と「しなければいけないこと」の話をします。

いつも言っているように、やりたいことを持ち、それをすることはとても大切なことです。でも、やりたいことだけをしているのは、積み木を細く高く積み上げるようなもので、倒れやすく結局あまり高く積み上げることはできません。積み木を安定して高く積み上げるためには、土台を幅広くしっかりと作らなければなりません。

「しなければならないこと」をすることとは、皆さんの場合は小学生ですから、学校の授業をしっかり受けること、勉強すること、家での役割をしっかり果たすことです。

勉強ができるようになりなさいと言っているわけではありません。勉強をすることは大切ですが、出来たかできなかったか、点数が良かったか悪かったかよりも、全力で取り組んだかどうかの方が大切です。全力で取り組んだことは自分の身になるからです。98パーセントの力を出してもそれはあまり身になりません。「だいたいこのくらいでいいか」という気持ちではダメなのです。力を出し尽くすことが重要です。

もう一つ大切なことは、人に頼まれたことをすることです。自分でやりたいことを探しても、あまり多くのことをすることは出来ません。でも人に頼まれたことをすると、自分の知らなかったことを知ったり、知らない場所に行ったり、初めてすることがあったり、新しい発見がたくさんあります。

そうやって自分の幅を広げていくことが大切です。

今日は「やりたいことを持つ」に加えて自分の幅を広げるために必要なことを話しました。

 

3年生の感想を紹介します。

assenbly感想


3月 8th, 2016|

11月のアッセンブリー「経験を増やして豊かに生きよう」


シナプスのイラストがスクリーンに映っていますが、シナプスはどこにあるか知っていますか? そう、脳ですね。 人間はどんな環境に生まれても生きられるようなシナプスの回路を持って生まれてきます。生まれて1年前後がシナプスの結びつきは最大になり、その後は必要のない回路が消えてなくなり、必要な結びつきが出来ていきます。

「言語」でいえば、どこの国に生まれてもそこの言葉を聞き分ける能力を持って生まれてきますが、使わない言語を聞き分ける回路はだんだんなくなり、使わない音声の聞き分けが難しくなります。

LCA国際小学校の皆さんは日本語と英語の聞き分けができていますね。校長先生は大人になってから英語を勉強したので、英語の音の聞き分けには大変苦労をしています。

このシナプスの回路は経験をすることで増えていきます。五感を使ったり考えたりすると回路が増えていきます。

LCAのAはactivities のAです。副校長のMr.Martinezがactivitiesを日本語訳すときは「経験」と訳しています。皆さんにいろいろな経験をしてほしいという願いを込めたAです。

シナプスの回路を増やし、いろいろなことを考えたり、アイディアを出したりできるようになってほしいです。

10年後にはコンピューターもロボットもさらに進化し、今人間のしている仕事をするようになります。ホテルの接客までロボットがするようになるそうです。人間は人間にしかできないことをしっかり考えて身につけていかないと、仕事がなくなってしまうような世の中になる可能性があるのです。

コミュニケーションをしっかり取ったり、ゼロから何かを生み出したりするようなことはコンピューターやロボットは苦手かもしれません。

いつも何か刺激を受けるように新しいことに挑戦し、ロボットやコンピューターが進化した世の中でも、人間らしく豊かに生きられるようにしたいですね。


11月 11th, 2015|

思いを行動にうつす


10月のアッセンブリー

 

今の6年生が1年生の時に東日本大震災が起きました。地震と津波で大きな被害がでました。翌年2年生になった子どもたちの数人が、「被災者のために何かしたい」と校長室に話しに来ました。

本人たちのアイディアはペットボトルキャップを集めて、集まった費用を東北に送るというものでした。とても立派な志だと思いました。

ただ、ペットボトルキャップを集めて得たお金がどのように役に立つのかが曖昧であるこが気になりました。また、相手の顔が見えない中で、「何か良いことをした」という気持ちだけが優先してしまうことも懸念されました。

糸口を探そうと、知り合いから東北の学校を紹介してもらい、宮城県の中浜小学校を訪ねました。校舎は津波の被害で使える状態ではなく近くの坂元小学校の教室を利用している状態でした。

校長先生に「LCAの子どもたちが出来ることは何か」と率直に尋ねたところ「ぜひ、この場所に立って感じて欲しい」という答えが返ってきました。

LCAに戻りその言葉を子どもたちに伝え、話し合い、是非東北に行きたいということになりました。行った時に何をするか話し合ったところ「自分たちは英語で歌って踊れるのでそれを使って交流できないか」ということになりました。

歌を決めダンスの振り付けをし、坂元小学校を訪ねました。

計画した通り英語の歌を一緒に歌い、休み時間に一緒に遊び、被災した校舎を案内してもらい、様々な貴重な思いを持って帰ってきました。

翌年の夏休みには坂元小学校の希望者を長野のLCAセミナーハウスに招き一緒にキャンプをしました。

今年はこの企画を発案した子どもたちが6年生になっているということもあり、LCAの子どもたちのビデオメッセージを届けに私と副校長で坂元小学校を訪ね、坂元小学校の子どもたちのメッセージをお土産にもらってきました。

そして、来週は当時の中浜小学校(被災した学校)の校長先生がLCA国際小学校にいらっしゃいます。

被災した当時の話は命の守り方に役に立つ話が聞けると思います。皆さんの思いがこのような形に発展してきたのです。

 

もし、皆さんが「何かしたい」と校長室に来ていなければ、私が東北に行くこともなかったし、当時の中浜小学校の校長先生がLCA国際小学校にいらっしゃることもなかったでしょう。

何かを真剣に思い、そして思いを行動に移したから、周りの人の行動がそれによって変わり、生まれたのです。

世の中は「ある」ものではなく「作っていくもの」です。皆さんが何かを思いそれを行動にうつすことで、世の中は良くなっていくことができます。

私は思いを行動に移し実現してきたLCAの子どもたちをとても誇りに思っています。この企画をした今の6年生は来年の3月に卒業してしまいますが、1年生から5年生も先輩を見習い、人のために思い、行動できるようになって欲しいと思います。

LCA国際小学校はそれができる学校だと思っています。


10月 7th, 2015|

2015年9月校長アッセンブリー(挨拶・自己紹介・レディーファースト)


いつも始まりの時期に校長先生が必ず言うことがあります。そうです。挨拶ですね。 挨拶は相手の人が気持ち良く聞けることが大切です。「挨拶してもらって良かった。とっても気持ちがいい」と感じてもらえるといいですね。

 

いい機会ですので自己紹介の話をします。自己紹介は自分を覚えてもらい、アピールする絶好のチャンスです。でも、自己紹介がうまく出来ていない人を多く見かけます。せっかく名前を言っているのに聞き取れないのです。それは、いきなり名前を言ってしまい、聞く方の人が聞く準備ができていないからです。ひどい場合は立ち上がりながら名前を言っている人もいます。きちんと立ち上がり、一呼吸置いてから名前を言う、私の名前は・・などと前置きをするなどの工夫が必要です。

 

次はマナーの話をします。昨日のジョブフェアーでダンスのレッスンがありましたが、男女で手をつないでと言われた時、照れて手をつなげませんでした。LCAでダンスのレッスンを取り入れているのは、ダンスが踊れるようになるということの他に、世界で通用するマナーを身につけて欲しいという願いがあります。「手をつなぎましょう!」と言われたら、普通に手をつなげるようになって欲しいです。

みなさんが将来、外交官や大使になったり、または国連で働くことになったり仕事で海外に出かけた時など、国際的な場所に行く機会があると思いますが、その場で必要なマナーがあります。レディーファーストもその一つです。

皆さんはレディーファーストという言葉を知っていますか?

エレベーターやエスカレーターに乗る時、そばに女性がいたら女性を優先して笑顔で「お先に」と手で合図します。レストランでテーブルに着く時も、自分が真っ先に座ってはいけません。係の人が椅子を引いたら女性が先に座り、それを待って男性が座ります。

男女平等が言われる時代で、いろいろな意見がありますが、校長先生は、レディーファーストは素敵なマナーだと思っています。

電車の中でも席が空いたら、真っ先に自分が座るのではなく、周りに女性やお年寄りがいれば「どうぞ!」と譲るのがマナーです。例え自分がどんなに疲れていても、それが出来る人はやはり素敵です。皆さんと一緒にそんな人を目指していきたいですね。

今日は挨拶の話、自己紹介、レディーファーストの話をしました。校長先生の伝えたいことは伝わりましたでしょうか。

 

Dreams Begin Here!

We are LCA!


9月 4th, 2015|

尊敬する人物


先日雑誌「プレジデント」の取材を受けた際、最後に尊敬する人物はと聞かれた。咄嗟に「特にいない」と答えた。何か不遜な感じに取られなかったか心配になった。

後で考えると、尊敬する人物は沢山いるのだ。解説者の池上彰さんをはじめスティーブ・ジョブズ、東山魁夷など数々の芸術家、建築家など。この人のこの部分は尊敬できると思える・・ただ、言いたかったのは自分が目指すモデルになるような人物、あの人のように成りたいと思うようなモデルは居ないということだ。


4月 29th, 2015|

物数を尽くすということ


達人たちの話を聞いていると、練習の大切さを口にする。世阿弥は「物数を尽くせ」と、書道家の武田双雲氏は「2万回やればできる」と。凡人は数を尽くしてないから凡人なのだ。ピアノだって2万回練習すっればきっとできるにちがいない。

by 緊張してうまく弾けなかったと言う私


4月 20th, 2015|

「巨大な夢をかなえる方法」を読んで


「巨大な夢をかなえる方法」という本が出版された。

世界を変えた起業家、投資家、教育者、俳優などが、イェール、MITなど一流大学の卒業生へ熱く語りかけた卒業式でのスピーチを集めたものだ。

 

最初はアマゾン・ドット・コムの創設者ジェフ・ベゾス。

 

祖父とキャンピングカーで出かけた時、祖父から「It’s harder to be kind than clever」(自分が賢くなることよりも、人に優しくすることの方が難しいのだよ)と言われたエピソードから始め、次のように結んだ。

 

Will inertia be your guide, or will you follow your passions?

惰性で人生を生きますか?それとも本当に好きなことをやりますか?

 

Will you follow dogma, or will you be original?

世の中の常識に従いますか?それとも独創的な人間になりますか?

 

Will you choose a life of ease, or a life of service and adventure?

楽な人生を選びますか?リスクを取り世界に貢献する人生を選びますか?

 

Will you wilt under criticism, or will you follow your convictions?

批判に屈しますか?それとも、自分の信念に従いますか?

 

Will you bluff it out when you’re wrong, […]


4月 5th, 2015|

90歳にして変わった母


母は今年90歳になった。父が20年前に亡くなってから一人暮らしである。

一週間に一度、母を訪ねて夕食を共にする。2年ほど前までは母の作る料理を食べていた。ここのところ足が不自由になり料理もつくらなくなったので、ファミレスや伊勢丹のレストランで食事をすることにしている。

 

以前は実家に行って母と会うのは「修行」だと思っていた。一日の仕事を終えて実家に着いた途端、心配事と口癖の「嫌になっちゃう!」の連打。言いたいことが溜まっているのだろうが、こちらはドット疲れる。他の場所ではめったに腹も立たないし、イライラもしない私だが、母にだけは「いい加減にしてくれ!」と言いたくなる。だがそれを言わないから「修行」だと思っていた。

 

「人は口癖で言っているような人間になる」という。本当にそうだと実感する。思い切って言ってみた「『嫌になっちゃう』を止めようよ!」「幸せだと思っているならそれを口に出そう!」言っても変わらなかったと、暫く思っていたある時、自分が穏やかな気持ちで母と過ごしていられていることに気づいた。

 

母は意識して「嫌になっちゃう!」を言わなくしたのだ。まだまだ、嫌味ととれるような事は毎回のように口にする。毎週食事に出ていても「こんな料理ひさ〜しぶりだから美味しい」とか「食べたことがない」とか・・・。「先週も食べたよね!」と心の中で思うが聞き流す。母の言葉に意味づけしているのは自分である。自分が嫌味だと取らなければそれだけの話である。たぶん母に他意はない。

毎週、穏やかな時を母と過ごしている。「私は生きていてもいいのか?」と時々尋ねられる。「長生きしてください」こんな時間が持てるのだから。結構、最高の思い出として残るのは今のこのような時間なのかもしれない。


4月 4th, 2015|