週刊アエラ620日号に、写真家・藤原新也氏の撮った福島県三春町(梅・桃・桜が同時に楽しめることから付けられた地名)の千年三春滝桜(日本三大名桜の一つ)の写真が載っていた。夕暮れてダークブルーになった背景に、桜の巨木が千年かけて広げた枝から淡いピンクの花を垂れさせている。

 そこに写真家の文章と現地で書いたブログが添えてあった。

「人は、手折れ、足折れ、苦にさいなまれ、ゆらぎ、くじけ、うなだれ、よろめき、めげ、悲しみ、涙し、孤独に締め付けられ、心忘れ、心折れ、打ちひしがれ、うろたえ、奈落の底に落ち、夢失い。  それでも 生き、生き、生きている。」と。

 テレビで毎日のように見てきた被災地からの映像とは違ったメッセージが伝わってくる、静かな時間。

 世の中がどんなにデジタル化され便利になっても、書を持ち、紙に書かれた文字や写真と触れ合う静寂な時間を、人は決して手放してはならないと思った。