建築界のノーベル賞ともいわえる米ブリッカー賞を受賞した坂茂(ばん・しげる)氏の記事が産経新聞に載っていた。坂さんは私が大好きな建築家の一人だ。

氏の被災者と向き合う建築の原点を知って、氏の建築の魅力への理解が深まった。

フツ族とツチ族の争いで、虐殺を逃れた難民200万人以上の難民シェルターがあまりにも悲惨だったので、これではいくら医療活動をしても意味がないと感じ、国連に手紙を出した。いくら待っても音沙汰がないので、直接国連を訪ねていった。

「医者や弁護士が問題を抱えた人に向き合うのに対し、建築家の仕事は基本恵まれた人々を相手にすることが多い。歴史的に見ても権力、財力、政治力のある特権階級が、力を可視化させる象徴を造るため建築家を雇ってきた。もちろん立派な建築は街のシンボルになり、観光資源になるのですが」

氏は建築家にも社会的役割があるのではないのか、自分の経験や知識を戦争や自然災害で家を失った人のために使えないかと考えるようになる。

たどり着いたのが再生可能で環境に負担をかけない紙管を使った骨組の建築。これが評価された。

坂茂 顔写真

 

この記事を読んで、ますます坂さんのファンになった。

自分の好きなこと探しをして、何をしていいのかわからず、動けなくなっている人が多い。自分がやりたいことをただ探すより、現在の自分の立ち位置から社会をよくみて、問題意識を持つことでやるべきことが見えてくるのではないか。

 

国連に手紙を書いたり、自ら訪ねていったりする行動力も素晴らしい。思っただけでは、思わなかった時と何も変わらないのだから。